情報銀行のサービス
先日、情報銀行のサービス開始というニュースを読んだ。個人に代わって妥当性を判断の上、個人情報を適正に管理・利用(第三者提供含む)することについて、個人が情報銀行に委任する関係とする。(総務省HP参照) 個人情報を契約に基づいて、「管理する」他にあらかじめ指定した情報を条件に基づいて個人に替わって自分以外の誰かに提供をする事業と言う事だ。指定した条件に見合ったサービスをユーザー側はわざわざ取りに行かなくても、自動で企業側が定期的に提供してくれるらしい。便利になるということくらいは想像がつくのだが、知らないうちに不必要なサービスを提供され、余計な料金を知らず知らずのうちに払わされるのではないか?と今の段階では思ってしまう。
妥当性の判断?
個人に代わって、個人のニーズの妥当性をどうやって判断するのだろうか? インターネットの閲覧記録、使用している検索エンジンからえた検索キーワード、インターネットの買い物記録などを自動的に解析されるのだろうか? 「契約に基づいて」が鍵となるのだろうが、よく使用するインターネットサイトでは「視聴記録から興味のありそうな映画」とか「購入履歴から…」などと、AI(人工知能)が判断して情報を返してくれるが、これは!と思う提案は今のところ50%程度の満足度だろうか? 今後に期待するところだ。 だが、普通に購入したはずなのに、何を間違えたのか「定期的」に送られてくるようになったとか、月単位での契約だったのに、いつの間にか年契約になってしまい、予想もしていない反応で、ムダな出費がかさむのは困ってしまう。
例えば「30日無料…お試し」ボタン。企業側の無料で試してもらって気に入ったら継続してもらおう!という努力とお約束に乗っかったのはいいが、しっかりと説明を読み込めばわかるのだろが、説明文が長い、文字が小さい、よくわからない外来語(カタカナ表記の言葉)でユーザー側は「あぁ~面倒」と理解しないまま、「まぁいいか!」でボタンを押してしまうこともあるだろう。ユーザーの利便性向上が目的で考えられたアイディアは、ちょっとしたことで、企業側が得たい結果へ導くために仕組んだ策略だと思ってしまう人もいるだろう。まぁ中には「詐欺まがい」な手法を使っているところもあるので、妥当性の判断を今のところの機械学習に任せるのは時期早々なのかなと思ってしまう。
プロダクトアウト型カスタマージャーニーにしてはいけない
企業は商品やサービスを開発・設計する段階で、顧客がどのように製品やサービスと関わるのかについて深く分析して掘り下げていきます。顧客が商品やサービスを知り、「購入」「利用」という意向の素、実際に購入・利用するまでに顧客が辿る一連の体験を「旅」としてとらえ、それを図示化していきます。それはカスタマージャーニーマップと呼ばれるもので、商品やサービスの認知から購入・消費、その後の消費者間の情報共有に至るまで、多様化・複線化している「旅」を表します。現状、技術革新のスピードはとてつもなく速く、2年も経てば顧客は見向きもしてくれなくなってしまうことも多々あるため、製造・サービス提供のスピードだけでなく、開発・設計のスピードの速さも求められているのが現状です。だからと言ってプロダクトアウト、作りたいものを作って売るやり方を顧客に押し付けては、商品やサービスは売れません。 あくまでもVOC「顧客の声」=顧客ニーズを明確にとらえ、市場が必要としている魅力ある商品やサービスを生み出さなければ生き残っていけないのは自明の理ということです。
顧客ニーズを自社の技術言語へ翻訳する
例えば「美味しいコーヒー」が飲みたいという顧客のニーズがあったとしましょう。提供する側はいつでも、どこでも、誰にでも「美味しいコーヒー」を作らなければならないので「美味しいコーヒー」を自社の技術と照らし合わせて、再現可能な技術的な数値目標(CTQ)として設定しなければなりません。美味しいとは「温度は何度?」「お湯に対してコーヒーは何グラム?」ということを定義するということです。情報銀行を例とするならば、個人に代わって妥当性を判断する、その判断基準を顧客が分かる言葉を使って、数字を使って定義すると言い換えられるのではないでしょうか? 私たちが提供するリーダーシップ開発トレーニング、ファシリテーター養成コースで「VOCからCTQへの変換」を体験してみませんか?