従業員エンゲージメントを下げる理由:仕事に対しての不満

投稿者: | 9月 18, 2023

shake hand

従業員エンゲージメントとは、従業員が組織や仕事に対して抱くポジティブな感情や態度を指します。従業員エンゲージメントが高いと、仕事のパフォーマンス向上や離職率の低下など、組織にとってさまざまなメリットがあります。 一方、従業員エンゲージメントが低下すると、仕事のパフォーマンスが低下したり、離職率が高まったり、生産性が低下したりするなどの組織にとっては痛手です。

従業員エンゲージメントが低下する最大の理由

従業員エンゲージメントが低下する最大の理由として考えられる「仕事に対しての不満」について考えてみましょう。

仕事に対しての不満は、従業員エンゲージメントを下げる大きな要因です。仕事にやりがいを感じない、仕事が面白くない、作業が過酷すぎる、仕事の成果を認めてもらえず、がっかりした、あるいは悔しい思いをした、作業環境が悪いなどの理由で、仕事に対する不満は募ります。

理由を書き出してみて思ったのですが、何か引っかかります。理由となるものの書き出しが「仕事が…」、「作業が…」と混在しています。 普段、何気なく2つの言葉は、仕事=作業と考えがちで、明確に定義を区別することなく曖昧なまま使っていることがあるかもしれません。

少し強引ですが「仕事」と「作業」の各々定義を以下のようにまとめてみました。

定義づけ

仕事

  • ある目的を達成するために行う活動
  • 価値を創造し、社会に貢献するもの
  • 自発性や創意工夫が求められる

作業

  • 仕事の一部として行う、具体的な活動
  • 決まった手順やルールに従って行う
  • 能動性や創意工夫は求められない

  このように定義づけてみると、仕事は目的達成のため、社会貢献のために自発性・創意工夫が求められ、仕事をすることで得られる結果を達成するために、作業を行うという関係性が成り立ちそうです。仕事という括りの中に作業が含まれるでしょうか。これらを鑑み、仕事に対して不満がある理由について、作業の方に何らかの問題があるのではないかという視点で言い換えてみるとどうなるでしょうか?  

理由を詳細に掘り下げると…

「仕事が面白くない」は、仕事を通じて価値を創造し、社会に貢献する事はすばらしいと思うが、自分が携わっている作業との親和性やつながりが感じられず、その作業自体に興味や面白みは感じない。

「作業が過酷すぎる」は、作業量が多く、ミスが許されない状況であり、お客様や他部署とのやり取りの中で、肉体的あるいは精神的な疲労がたまることが多く、モチベーションを保てない。残業・休日出勤が多く、余暇・自分の時間をつくる余裕がない。

「仕事の成果を認めてもらえない」は、決まった手順やルールに従って作業を行っているにも関わらず、誰からも感謝されず、全く評価されない。まるで人間扱いされていないように感じる。 時間を費やして出したアウトプットを受け取る人が居ない。

「作業環境が悪い」は、作業場所が暑すぎる、寒すぎる、湿気が多い、暗い、うるさくて集中できない。必要とする道具、資料、情報、予算などが不足しているにもかかわらず、コミットできていない目的の元、作業を強要される。

このように仕事に対して不満がある理由を細分化していくと組織側がやるべき施策、働く側が取り組むべき事柄が見えてきそうです。問題を細かく分解して、問題の根本的な原因を探るべきだと考えます。  

働く側と組織側の施策

それでは以下に、働く側と組織側の施策をそれぞれ考えてみましょう。  

「仕事が面白くない」

つまり、作業自体に興味や面白みが感じられないということですから、内的な動機ややりがいについて考えたり、第三者からのフィードバックに耳を傾けたりしなければ前に進めないことでしょう。 働く側は自己啓発とスキル向上の意欲を高めるために、自己学習や外部トレーニングを受ける。あるいは、キャリアコーチングやメンターシッププログラムに参加し、自分の職業的目標を明確にするなどが考えられます。 組織側からのアプローチとしては、従業員が興味を持つプロジェクトに参加できるように配慮したり、異なる部門や役職に挑戦できる機会を提供したりすることができそうです。  

「作業が過酷すぎる」

これはストレスフルな状況です。ストレスをため込まないように、ストレス管理のスキルを向上させ、効果的なストレス対処策を身につける必要があります。他にはワークライフバランスを保つために、タイムマネジメント(時間管理)スキルを向上させるのも効果がありそうです。 組織側は、作業負荷を可視化して、特定の人に負荷がかかりすぎないよう調整しなければなりません。過度な残業を減らすために、ムダな作業が無いかどうか確認しなければなりません。顧客にとっての価値を生み出す作業なのか?緊急性は高いが、本当に重要な作業なのかを見極めなければなりません。  

「仕事の成果を認めてもらえない」

これは成果を明示的に報告し、自分の作業のアウトプットに対する価値をアピールする。あるいはフィードバックを積極的に求め、自分自身に対しての自己評価と向上を促す必要があります。 組織側は、定期的な評価とフィードバックセッションを設け、従業員の成果を認識し、評価できるように、監督者・上司を訓練しなければなりません。外部の人間を活用するという手もありそうです。 さらに優れた業績に対して公的に認識する制度や報酬を導入して、報酬という面からもアプローチ可能です。  

「作業環境が悪い」

まず自主的にできることは、自分の作業スペースを改善し、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を施すことです。作業に集中できる環境を確保するために、可能であれば、リモート・サテライトワークを検討してみるのも良いでしょう。 組織側のアプローチは、従業員の集中力と快適さを向上させるために、快適な作業環境を整える。例えば柔軟な勤務オプションを準備、提供し、従業員が最適な作業環境を選択できるようにすることなどが考えられます。  

施策はまず優先順位をつける

着実に解決していくためには、各施策について優先順位をつけなければなりません。全部の施策に対してリソースを同時に投入できないからです。 最も重要な課題にフォーカスし、その後段階的に他の施策を実行します。実施した施策の効果を継続的にモニタリングし、必要に応じて調整と改善を継続させます。    

 

 

さて、いかがだったでしょうか? 従業員エンゲージメントが低下する最大の理由として考えられる「仕事に対しての不満」について、その理由となる要因を掘り下げて、働く側と組織側のアプローチを考えてみました。

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