1つの母平均に関する検定と推定 解答・解説
問題 1(区間推定)
n=100(標本数),σ=2.0g(母標準偏差), X̄=50.5g(標本平均) のとき、母平均 μ の95%信頼区間を求める。
解答: [50.11g, 50.89g]
解説
母標準偏差σ(母分散)が既知なので、標準正規分布表が使えます。
-
- 95%信頼区間の場合、標準正規分布表から Kp = 1.96(お決まり定数) を用います。(標準正規分布表における、確率2.5%=0.025の場所)下記の表を参照
- 信頼区間の公式は X̄ ± 1.96 x (σ/√n) です。 標本平均 ± お決まり定数 x 標本の標準偏差
- 標本の標準偏差は母標準偏差を標本数の平方根で除した値になります
- 値を代入します。
50.5 ± 1.96 * (2.0 / √100)
= 50.5 ± 1.96 * (2.0 / 10)
= 50.5 ± 1.96 * 0.2
= 50.5 ± 0.392 - したがって、信頼区間は [50.108, 50.892] となります。
標準正規分布表(上側確率)![]() |
問題 2(片側検定)
新肥料が収穫量を増やす効果があったか、有意水準5%で検定。 (H₀: μ=30, H₁: μ>30)
従来の収穫量は平均 (μ₀) 30kg
新しい肥料を使って 16区画 (標本数 n = 16) で試験栽培、平均収穫量は 32.5kg (標本平均=X̄)、不偏分散は 16
- 解答: 効果があったと言える。
- 解説
- 母標準偏差が未知なので、t分布を用います。自由度は Φ = n – 1 = 16 – 1 = 15。
- 帰無仮説 H₀: μ = 30(収穫量は従来と変わらない)
- 対立仮説 H₁: μ > 30(収穫量は増えた)
- 検定統計量 t値を計算します。
- 検定統計量 t値 = (標本平均 – 母平均) / (母標準偏差 / √標本数)
- t = (X̄ – μ₀) / (u / √n) = (32.5 – 30) / (√16 / √16) = 2.5 / (4 / 4) = 2.5
- t分布表は両側に振り分けられているため、片側検定の場合は、2αにあたるところを見る。t分布表から、自由度15、10%のt値を求めると t(15, 0.10) = 1.753。これが棄却域の境界値です。
- 計算した 検定統計量t値 2.5 は、棄却域の境界値 1.753 よりも大きいため、帰無仮説 H₀ は棄却されます。
- したがって、有意水準5%で「新しい肥料は収穫量を増やす効果があった」と判断できます。
t表![]() |
問題 3(両側検定)
充填量の母平均は120mlと異なっているか、有意水準5%で検定。 (H₀: μ=120, H₁: μ≠120)
製品から 9本 を無作為抽出、標本平均は 118ml、不偏分散は 9
- 解答: 異なっているとは言えない。
- 解説
- t分布を用います。自由度は Φ = n – 1 = 9 – 1 = 8
- 帰無仮説 H₀: μ = 120(充填量は設定通り)
- 対立仮説 H₁: μ ≠ 120(充填量は設定と異なる)
- 検定統計量tを計算します。
- t = (X̄ – μ₀) / (u / √n) = (118 – 120) / (√9 / √9) = -2 / (3 / 3) = -2
- 両側検定なので、有意水準5%は上側と下側に2.5%ずつ割り振り分けたいところですが、t分布表は始めから両側に振り分けられています。 ですから、t分布表で5%のところを見ると t(8, 0.05) = 2.306。棄却域は t < -2.306 または t > 2.306 となります。
- 計算した t値 -2 の絶対値 2 は、棄却域の境界値 2.306 よりも小さいため、帰無仮説 H₀ は棄却されません。
- したがって、有意水準5%で「充填量の母平均は120mlと異なっている」とまでは言えません。
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