『お前の会社、モンスターに喰われてるぞ。』
― 若手社員 佐藤が挑んだ、見えない敵(ムダ)との戦い ―
プロローグ:その「いつも通り」に、魂はあるか?
「佐藤、これ30部、印刷しといて。念のため、多めにな」
まただ。
毎週月曜の定例会議。参加者は15人。なのに、配られる資料はいつも30部。
分厚い紙の束は会議の終わりには半分以上がゴミ箱行きになるか、誰の机かも分からないキャビネットの肥やしになる。
株式会社ネクスト・ギア、入社5年目。
佐藤 誠、27歳。俺は、この「いつも通り」が気持ち悪くて仕方がなかった。 承認印をもらうためだけに、
その間、
神棚のように飾られた「いつか使うかもしれない」部品の山が、
誰もが「そういうものだから」と口を閉ざす。
思考を停止し、
その「何か」の正体に、俺はまだ気づいていなかった。
第1章:姿を現した、7体のモンスター
その日、事件は起きた。
急な仕様変更で、
手直しによる損失額は、
「まあ、仕方ない」「よくあることだ」 そんな諦めの声が聞こえた時、俺の中で何かがプツリと切れた。
その瞬間、俺には見えた。
俺たちの職場に巣食う、
【暴食のスライム】― 作りすぎのムダ 「とりあえず作れ」「前倒しで進めろ」。
【停滞のゴーレム】― 在庫のムダ スライムが喰い散らかした残骸が、このゴーレムの体となる。「
【彷徨えるゾンビ】― 運搬のムダ 承認のため、情報共有のため、
【承認待ちのメデューサ】― 手待ちのムダ 「上司の承認待ち」「前工程の遅れ待ち」。
【疲労のグレムリン】― 動作のムダ 「あれ、どこだっけ?」「よっこいしょ」。
【自己満足のキマイラ】― 加工のムダ 顧客は求めていない過剰な機能。
【やり直しのヴァンパイア】― 不良・手直しのムダ ミス、クレーム、差し戻し。一度死んだはずの仕事(タスク)
第2章:俺たちに残された、たった一つの武器
絶望が全身を支配する。こんな巨大なモンスターたちを相手に、
会社を辞めるしかないのか?
いや、違う。
脳裏に、入社式の日の社長の言葉が蘇る。「君たち一人一人が、
エンジン…?
だったら、俺にもできることがあるはずだ。
そうだ、武器はあったんだ。 大げさな改革案や稟議書じゃない。
それは「『それって、本当に必要ですか?』と問いかける、
そして、その勇気から生まれる「
- メデューサ(手待ち)に → 「この承認、チャットじゃダメですか?」という一言で、
石化の呪いを解く。 - グレムリン(動作)に → 「よく使うファイル、
共有フォルダのトップにショートカット作りませんか?」 という提案で、奴らの巣を叩く。 - スライム(作りすぎ)に → 「この資料、印刷する前に本当に必要な部数を確認しませんか?」
という問いで、奴の餌を断つ。 - ゾンビ(運搬)に → 「このデータ連携、自動化できませんかね?」という相談で、
さまよう群れを聖なる光で浄化する。
そうだ。 巨大なゴーレムをいきなり倒すことはできなくても、
エピローグ:俺が最初に倒した、一体のグレムリン
月曜日。
俺はいつもより少しだけ早く出社した。 PCを立ち上げ、
5階層も深く潜らないと、
「…いた」 俺の時間を、チームの時間を、
今日のターゲットはお前だ。
俺は意を決して、チームのチャットグループに書き込んだ。
「おはようございます。毎週の定例資料ですが、
心臓が少しだけ速く打つ。
生意気だと思われただろうか…。
数分後、通知が鳴った。
先輩の田中さんからだった。「佐藤、ナイス!
続いて、リーダーからも「助かる!」
…それだけだった。
世界は何も変わらない。会社の業績がV字回復するわけでもない。
だが、俺の世界は、確かに変わった。
昨日まで俺のやる気を蝕んでいたグレムリンが、一匹、
半径5メートルの空気が、
これは、革命じゃない。戦いですらないのかもしれない。
でも、これは確かに、俺が、俺たちの職場を取り戻すための、最初
さあ、次はどのモンスターを狙ってやろうか。 俺は少しだけ楽しくなった口元を隠すように、
戦いは、まだ始まったばかりだ。
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