第3話:【停滞のゴーレム】の防壁と、棚卸しの聖痕
― 若手社員 佐藤が挑んだ、見えない敵(ムダ)との戦い ― その③
「佐藤、悪いがこれも頼む。
……とりあえず、
製造ラインから押し出されたパレットが、
そこに鎮座するのは、「いつか使う」
俺の目の前で、積み上げられた段ボールが軋みを上げ、
【停滞のゴーレム】(在庫のムダ)
属性: 鈍重、蓄積、高コスト
正体: 決断を先送りされたモノの成れの果て。
能力: 迷宮のような死角を作り、中身を「不明」にする。
「とりあえず」
一度「資産」
「佐藤さん、そこ通れません!」
フォークリフトの警告音が、悲鳴のように響く。
「佐藤、そいつは構うな」 田中先輩が、乾いた声で言った。
「帳簿の上では『資産』だが、誰も触れたくない負の遺産だ。
だから皆、見て見ぬフリで餌(
「……資産が、会社を殺すなんて」 俺はタブレットを構えたが、すぐに指が止まる。
このゴーレム、
「……だったら、外側から剥がしてやる」
思考の聖剣:第3式【デッドストック・スキャン】
俺が取ったのは、高度な分析ではない。
泥臭いローラー作戦だ。
第1段階:マーキング(レッドタグ・キャンペーン)
まず、一週間、
第2段階:尋問(「万が一」の正体)
赤いシールの貼られた箱を開け、現場のベテランに詰め寄る。
「これ、本当にまだ必要ですか?」
「馬鹿言うな!客先で旧型が故障した時に要るんだよ!」 もっともらしい反論。
だが、俺はさらに踏み込む。
「その『万が一』のために、直近3年で出荷した実績は?」
「……ゼロだ」
第3段階:数値化(コストの可視化)
「客のため」という大義名分を、冷徹なデータで切り裂く。
「この部品、単価は500円です。
ですが、
おまけに、
これはサービスではなく、
見えた。
こいつの急所は、帳簿上の価値(心臓)じゃない。
俺は真っ赤なコストグラフを突きつけ、生産管理課長に迫った。
「課長、これは資産ではなく『時限爆弾』です。
赤字を抱えて沈むか、
課長のペンが震え、やがて叩きつけるように承認印が押された。
「……1週間だ。通路に光を取り戻せ!」
もう、俺たちに迷いはなかった。
「いつか使う」という呪いを、「
運び出される段ボールの山。
ゴーレムの体が崩れ落ちるたび、
夕暮れ時。 かつて巨大な壁があった場所には、何もない「広い床」
だが、それは次に何をすべきかが一目でわかる、最高の滑走路だ。
「……ふう」 埃を払い、空っぽになった空間を見つめる。
その時、視界の端で、虚ろな目をした連中が、
「……次は、あいつらか」
俺は不敵に笑うと、広くなった倉庫の真ん中で、
第3話 完
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